いろんなお知らせ


■東日本支部のスピーカ試聴会報告

東日本支部は、国内外のステージモニターとスタジオモニターを主としたスピーカ試聴会を、関東地方梅雨入り宣言の6月14日、東京のゲートウェイスタジオ高田馬場3号店で開催した。

この試聴会は、14のリハーサルスタジオを貸し切りにして、各社のスピーカを個室で公開し、ゲストが聞き歩くという画期的な企画である。

スタンプラリーという遊びも取り入れ、全ブースを訪問すると景品が貰えるという。これで、好きなブランドだけの訪問ではなくなり、メーカーとゲストの緻密なコンタクトもできるようになって、有意義なイベントになったようだ。

このような新企画に対し、参加したメーカーからもゲストからも、このような形でちょくちょくやってほしいという声があった。

さて、参加した各社の内容だが、これまでのように一堂に会した試聴会のときは大音量大会に走ってしまったのだが、今回は個室でやるため、それぞれの会社が独特のプレゼンテーションを見せてくれて、商売の手法も学べて面白かった。アコースティックギターの生演奏をしていた会社もあって、その演奏者に感想を聞いているゲストもいた。

大音量をアピールしていたところ、機能の良さをアピールしていたところ、自然な音を自慢していたところ、遊び心で作ったところ、などなどで使用目的に合わせて、会場の大きさに合わせて、スピーカを選ぶ時代が到来したのではないかと思わせてくれた。

入場者数は一般が152名、スタッフを含めると総勢211名のイベントとなりました。

◎参加ブランド
・ Dynacord
・ d&b audiotechnik
・ Electro-Voice
・ GENELEC
・ JBL PROFESSIONAL
・ L-ACOUSTICS
・ LiveGear
・ LiveSound
・ MeyerSound
・ Musikelectronic geithain
・ NEXO
・ NSE
・ Right-EAR
・ Turbosound
・ アエロホン
・ アドバンステクノロジーサービス
・ 田口造形音響
・ ヤマハ

▽写真をクリックすると出展社のホームページにリンク


■定時社員総会終わる

本年の社員総会は5月24日、名古屋駅前のウインクあいち(愛知県産業労働センター)で開催され、すべての議案を承認し、音響家の更なる進化を新年度の目標として掲げ閉会した。

引き続き協会賞の犬塚裕道さんの記念講演が行われ、若い頃の苦労話や失敗談をユーモアたっぷりに話され、そこから、常に演者を引き立てる裏方に徹している姿勢がみえてきて、あらためて受賞にふさわしい人物と推察できた。

△講演する犬塚裕道さん

懇親会は近くの居酒屋「和民」で開催し、全国の友と有意義な一時を過ごしました。

参加者から「いつものように笑顔一杯のSEAS仲間......いい雰囲気のなか皆様にお会いでき嬉しい限りです。宴たけなわのトークは、酒よりも美味でした。またお会いできる日を楽しみにしております」とのメールが届いております。

二次会は木枝義雄理事に設定していただきました。

△今回のプロデュースを担当した丹羽功理事


■音楽音響クリニックの開催

北陸支部主催による会員のスキルアップを目指した特別プログラム「音楽音響クリニック」は、2010年5月18日、金沢市・二十一世紀美術館「シアター21」で実施しました。

クリニック(実地講習)はビッグバンドのミクシングで、及川公生さんの指導で行われ、受講者たちはめきめきと腕を磨きました。

◎山本北陸支部長の報告
無事終わりました。音楽音響クリニックは10名受講し全員合格しました。筆記試験は6名受験して全員合格でした。
ジャズのミクシング実技は各自4回繰り返していくのですが、みんな真剣に挑戦しているので、どんどん音が良くなってくので驚きました。及川さんの指導で、確実にスキルアップしていくのを確認でき、嬉しくなりました。これが音響家協会のすばらしいところだと、あらためて感じました。

◎及川公生講師からの講評
北陸支部の音楽音響クリニックは、会長が常に提唱されている会員のスキルアップを確実なモノにする目的で、内容を一新してみた。

音楽の組み立ては、バランス重視は当然変わらないが「自分のミックスの結果を自分も納得しギャラリーも拍手を送りたくなること」を取り入れた。

トレーニングは、基本的に各自同じ曲を4回繰り返し、納得のいく完成品を創ることを最終目的にした。

1回目はバランスを取りながら音楽を理解し流れを理解する。ここで、受講者は一曲の時間の短さを実感する。実は、ここに仕掛けがある。早く形を仕上げなくては音楽は終了してしまうことを実感させ、短時間で組み立てられなければプロとして通用しないからだ。

2回目でやっとバランスが整い、音楽の完成度が見えてくる。ここで意地悪く受講者に「いいんだけど、べったりしてジャズの快感がないね!」と質問をする。

今回凄いと感じたことは、受講者が、それぞれに問題点を提起したことだ。そこで「何が問題なんだろう」を互いに検証して、その問題解決の糸口のヒントを教えることにした。

一人は、かぶりが大きくてピアノをいくら上げても聞こえない。さらに一人は、トランペットに輝きがあってもいんじゃないか。または、ベースの輪郭がはっきりしない。このようにステージのライブ録音にまつわる難題をクリアしたい気持ちが溢れていた。

どうしたら良いかという講義の時間は無いので、その都度、ヒントを与えてその効果を実感して貰った。見事に各自の不満は解決、はつらつとしたジャズサウンドがシアター21の空間に響き渡った。


北海道支部のホール見学会と懇親会

4月14日、北海道支部総会の開催に合わせて会場となる施設の見学会を実施しました。

昨年は新たに改築となった「札幌市民ホール」(旧札幌市民会館の後継施設)でしたが、今年は昭和52年開館の札幌教育文化会館です。この施設は開館後何度かの改修がおこなわれており、その中では平成5年に国内初となる音響卓及び伝送系のデジタル化がなされています。しかしながらこの時のデジタル音響卓はほとんどの設定がタッチパネル式で操作盤面は最終音量調整のみとなっており、瞬時の対応に苦労したそうです。

今回の改修では音響卓にSTUDER Vista5が導入され、多数のコントロールノブに必要な機能が割り当てられ、アナログ的な操作感覚で迅速な対応が可能となったそうです。またスピーカーのラインアレー化により均一した音圧の確保や、パワーアンプの統一により万が一のトラブル発生時にはアンプの入れ替えにより対処可能になっているそうです。それにしてもパワーアンプが随分軽量化されているのには驚きました。

このように改修されたホール音響設備を見学後、支部総会を経て、その後はいつもの懇親会へと流れました。

今回は例年より総会への出席者が多かったこともあり、懇親会にも15人程が参加し交流を深めました。音響に関わる話はもちろんですが、各地のホールでの様々な問題や、果ては最近の音楽事情まで話題が尽きることはなく、遅くまでお酒を交わしていました。
ただ、今回は八板会長がお越しになり講演をいただくはずでしたが、季節はずれの雪と風の影響で航空便が乱れ、残念ながらお越しいただけなくなってしまいました。代わりに講演予定の内容がプリントで届きましたので配布させていただきました。その内容をよく心に留め、会長のお心遣いに感謝いたします。懇親会で会長と歓談できなかったのは、本当に残念です。

北海道支部では、今年度の支部総会の出席者が増え、また新入会者もありそうな見込みです。活動も一層盛り上げたいと思った1日でした。(報告 北海道支部/坪田栄藏)


■2010年日本音響家協会賞受賞者決定

ステージヴァンガード代表の犬塚裕道氏に決定しました。

授賞理由
「演劇や舞踊に精通した多彩な仕事ぶりは邦楽界で定評があり、特に名古屋地区では絶大の信頼を得ています。
そのことは単に技術的なことだけでなく、人間的な素晴しさと仕事に対する哲学によるものです。
また、蓄えた豊富な知識とノウハウを惜しみなく次世代に伝授し、後進の育成と技能伝承に尽力されており、日本音響家協会賞授賞に値します。」

授賞式と受賞記念講演は、5月24日(月)15時40分から、名古屋の「ウインクあいち(愛知県産業労働センター)」で開催します。


■ 第7回邦楽セミナー「語り物」

早春の恒例になりました藝どころ名古屋で学ぶ邦楽セミナーは、第7回「語り物」を、2010年3月18日「広小路ヤマハホール」にて開催しました。

安田文吉南山大教授による「語り物の歴史」の講義、林 旭紅(筑前琵琶)、糸井藍水(薩摩琵琶)両師と犬塚裕道常任講師による「琵琶を知る」の実演と解説で進行し、音響処理(マイクアレンジ)の確認をした後、ラフカディオ・ハーンのテキストによる「耳なし芳一」を、流派を超えたお二人の合同演奏で聞き、締めくくりました。 協賛協力は株式会社イーブイアイオーディオジャパン、株式会社エーアンドブイ、音響特機株式会社、ヤマハミュージック東海株式会社、ローランド株式会社、有限会社ザ・イアーズの各社。

▲安田文吉教授による「語り物の歴史」

▲サウンドホールの説明 林 旭紅 師

▲フレットの違いに注目 左(筑前琵琶)、右(薩摩琵琶)

▲薩摩琵琶の説明  糸井藍水 師

▲マイクポイントを探る(犬塚裕道 講師)

▲マイクの聴き比べ

▲二流派コラボ「耳なし芳一」

安田教授による、なぜ名古屋が藝どころなのか?という話や、説教節から浄瑠璃にいたる語り物の流れの話。筑前琵琶の実演、「安宅」で弁慶が義経を打擲する場面の琵琶による描写、薩摩琵琶の実演「那須与一」では与一が弓を引き絞り、ヒョウと放った鏑矢が音を立てながら的の扇に向かって飛んでゆくところから見事扇を打ち抜く音までを、時間を引き延ばして表現する技法など、普段生で見聴きすることがほとんどない「琵琶」についてさまざまなことが判り、こんな面白い芸能が日本にはあったのだ!という驚きと、アンケートに「耳無し芳一を聞いてドキドキしました。迫力があって怖かったです。」とあったほどの迫力で、日本の「語り物」の持つ表現力に今更ながら驚きました。

アンケート→PDF


■「楽器を知ろう」シリーズ・ドラム編

東日本支部は3月13日、PAN SCHOOL OF MUSIC/ライブホールCUBEで「楽器を知ろう」シリーズ・ドラム編を開催した。
講師は林Linn邦樹さん。ローランド株式会社製の電子ドラムとの比較演奏もあった。

受講感想
楽器を知ろう!シリーズ、「ドラム編」は、沢山の疑問と質問事項を抱えて受講した。ヴァイオリンのときもそうだったが、日頃の何となくやり過ごしたナマはんか知識が、全くの誤認であったことのショックは、ドラム編も同じ。日頃の疑問、いい加減な知識がボロボロと崩れ、解凍し、「そうだったのか!」は恥ずかしいけど事実だ。
質問しようとした項目は次々にバッテン印だ。林講師の楽器のナマ音と雑音の絡みの話は私がやっているジャズ録音の心髄に迫る話で、ガバッと氷塊し、マルチマイク当然のドラムスのマイキングが愚で有ることを実証。先生曰く「1本のマイクで、何も不思議を感じない!」。これが大収穫である。タムのチューニングをしながら倍音を構築して、豊かな表現が増す実演。スネアーのチューニングで雑音をつくり出し、味な音を造る実演。ドラムスの円筒形の円周が大きくなった印象の音像の話。マルチマイクは、本当にドラムスの姿をとらえているか?に、本音で回答を教えられた。
それにしても、協賛のローランドの電子ドラムの完成度の高さは仰天。ナマ音とのバトルも大収穫であった。(及川公生)


■北陸支部のデジタルネットワーク実験セミナー

北陸支部の2009年度の「北陸のホールを訪ねる」は、2010年2月8日〜9 日の2 日間にわたり、東日本支部と共同で「デジタルネットワーク実験セミナー」を金沢市の金沢21世紀美術館内のシアター21で実施した。金沢と東京間を光ファイバーの回線で結び、音声伝送実験、デジタルミキサーの制御実験、テレビ会議システムの試験などを行うもの。

1日目は、機材の搬入や会場内の音響機器等のセットアップを行い、まずは無料で配布されている「Skype」というIP テレビ電話システムを使用し、東日本支部の実験会場となる高田馬場のゲートウェイスタジオとの通信手段を確立。その際にはエコーキャンセル機能がついたスピーカーマイクとUSB カメラを使用し、よりテレビ会議に近い環境を構築した。

午後からは実際に実験する機器をインターネットネットワークに接続し東日本支部との接続試験を行った。

2日目の午後からは公開実験で、TV会議システムを使っての北陸・東日本双方の挨拶の後、本協会会員で金沢工業大学の平山亮氏による「インターネットの基礎知識」と題して講義を行い、その模様を東京へ伝送しました。インターネットの歴史や通信技術、通信品質や将来の方向性にいて分かりやすい講義でした。
その後は音声の伝送実験。CDソースを使用して、いろいろな形で伝送をしてみて音質やノイズ発生の確認などをした。

制御実験では、演劇セミナーの音源でもある「鶴の恩返し」の舞監・台詞の音声を金沢から伝送し、高田馬場で音楽とSEをミックスして金沢に送り返すということをしました。

金沢と高田馬場の間にはプロバイダーのサーバーや、NTT西日本、NTT東日本の光ファイバー回線を相互接続するためのサーバーなどが多数あり、また各種機器が遅延にどれくらいの影響を及ぼすかという実験だったが、結果は聴感上、遅れを認められなかった。またミキサー制御も目立った遅延は認められなかった。

開催にあたって、金沢21世紀美術館、松田通商株式会社、ヤマハサウンドシステム株式会社のご協力をいただきました。(北陸支部会報小かわらばん59号から抜粋転載)


■優良ホール新認定

新しく2つのホールが認定されました。

1、金沢市・二十一世紀美術館「シアター21
ホールの設備機材は全てホール使用料に含まれていて、手の込んだ貸公演でもホールスタッフがいろいろと利用方法を提案し、積極的に取り組んでくれます。

2、福岡市民会館
株式会社福岡市民ホールサービスが指定管理者になっていて、利用者に手厚い対応をしてくれています。施設は古いのですが会議室を稽古場に改修するなどニーズに合わせて有効利用して、無駄なく施設を活用している努力をみることができます。スタッフの技能も優れていて、礼儀正しく、心地よく利用できる施設です。


■第12回JAZZ音響塾

恒例のジャズ音響塾は、2010年3月24日、日本音響家協会西日本支部と兵庫県明石市の主催により、明石市生涯学習センターで開催されました。

明石近隣の方々や明石高校ブラスバンド部員など大勢の聴衆のなか、北海道・沖縄・韓国からの留学生など、多彩な13名の受講者がジャズのミクシングを学びました。

講師は及川公生氏と米田忠雄氏、演奏は高砂高校ジャズバンド部・ビッグフレンドリージャズオーケストラでした。
兵庫県立高砂高校ジャズバンド部、株式会社ヤマハ、株式会社音響総合研究所、株式会社音太郎の協力を得て開催しました。

●感想文(アンケート) 林 洋子


■映画「シャイン ア ライト」のDVD鑑賞会を実施

ローリング・ストーンズのコンサート実録映画「シャイン ア ライト」のDVD鑑賞会は、東京と大分に続いて、金沢と札幌で開催された。
金沢では12月1日(火)に金沢芸術村「パフォーミングスクエアー」において、札幌では12月2日と3日に北海道総合体育センター「きたえーる」で開催された「第11回 HSBA機器展」の会場で、北海道音響事業協会の協賛で開催した。札幌では立ち見がでるほどの大盛況でした。


■ボーカルマイクセレクション東京

東日本支部と日本劇場技術者連盟が共同で開催したボーカルマイクセレクション東京は、11月25日(水)、新宿文化センター展示室で開催され、日本中の優れたボーカルマイクが勢ぞろいした。

京都放送の深尾康史さんの「マイクロホンの変遷」と題した昔々のマイクついての講義、TOAの阿部匡孝さんによる「デジタルワイヤレスマイクの規格」と題した講義なども行われ、ボーカルマイクの重要性を再認識するとともに、目覚ましい進歩を見ることができた。

参加ブランドは AKG、audio-technica、beyerdynamic、DPA、Electro-Voice、
MIPRO、NEUMANN、 SAMSON、SENNHEISER、SHURE、TAMURA、TRANTEC

協賛は、株式会社イーブイアイオーディオジャパン、オタリテック株式会社、株式会社オーディオテクニカ、株式会社エレクトリ、ゼネラル通商株式会社、ゼンハイザージャパン株式会社、株式会社タムラ製作所、ティアック株式会社、TOA株式会社、ヒビノ株式会社、松田通商株式会社、ローランド株式会社。


■ヤイリギター製作工場見学会報告

中部支部事業として、2009年9月14日(月)、ヤイリギター製作工場見学会を、会員非会員合わせて11名の参加者で行いました。

▲ヤイリギターの並ぶ展示室

「ヤイリギター工房を訪ねて」
9月の秋日和の午後、中部支部のお膝元、名古屋のベッドタウンとなっている岐阜県可児市の丘の上にある「ヤイリギター製作工場」を訪ねました。
目的の工場は、敷地の正面入り口に控えめに掲げられたギターの看板がなければ、少し変わった風情の木工所かな?という印象で、敷地構内のそこかしこに資材の保管と自然乾燥をさせるための木材が積み上げられておりました。
『ヤイリギター』は手作りのアコースティックギターに拘り続け、その製品は内外の多くの有名アーチストに愛用されており、それは、同社の製品展示室の壁面を所狭しく飾られた、たくさんのポートレート達が誇らしげに語っております。
最初に案内された部屋は、数年から十数年自然乾燥を経た原料木を製材した素材木を、さらに数週間乾燥熟成させる為に寝かせる部屋で、いろんな木種の、形、厚さ、大きさの違った材料が或は積み上げられ或は縦に並べられ、また吊り下げられたりして製作工程に入るのを待っています。この待機期間中は、それらの木材に聴かせるためジャンルに拘らない多種多様の音楽を、常時室内にスピーカで流し続けています。 どんな効果があるのですか?と訊くと、「科学的な根拠が有る訳ではないのですが、彼らが生きものである以上きっと良い影響を与えているものと信じております」とのことでした。
更にそれは、完成したギターを温度、湿度の調整されたシーズニングルームと呼ばれる部屋で再度、数日から数週間静置して熟成させるときにも行われ、このときは主にクラシックのシンフォニーを聴かせ、ギターにその響きを共鳴させています。
それはギターに天使の宿る大切な時間だということです。そういえば醸造熟成時にモーツアルトを聴かせる酒蔵とか、乳牛や果物に音楽を聴かせて育てているという話をよく聞くのですが、音楽は人の作ったものではあるのですが、それ故に作り手がそれらに愛情を語りかけるものとして有効なのかもしれないなと思いました。


▲胴の組み立て

▲塗装後、フェルトで研磨する

工場は数棟あり、素材を選別し型取りをする、板に溝を切り胴に接着する、ネック用のほぞを切り胴にあわせ調整する、塗装をしフェルトで磨く、ネックにフレットを打ち込む等々、パートごとに職人が分業しているのですが、一定の経験を経ると各自のパート以外の仕事にも、自分のパートの受け持ち仕事が無いときなどにその仕事を見たり手伝ったりしながらトータルでギター造りを習得するのだそうです。 機械を使っているのはボディーの則版を曲げる時のベンディングマシーンと呼ばれる蒸気を使ったプレス機のようなものを見るだけでほとんどが手作業で行われています。 ギター表板の裏に貼られたブレイシングという角材(それは強度とともにギターの響きを左右する大切な部品です)を鑿一丁で削り調整している職人、これは経験とカンだけなのだろうか? 小刃一丁を使い鮮やかな手さばきでネックを削り、しっくりと手に馴染む美しいネックに仕上げていく工程などの職人芸を見ると、息を呑む思いです。 それらの工程で造られるスタンダード型のギターでもお客さんの特別な註文に応じて造っている為、30数名の職人で1日に27、8本程度の出来高だそうです。(壁には、注文主からの細かい指示事項が書き込まれたオーダー伝票が、来年分までぎっしりと貼り付けてありました)
そうした製品以外に、マスタークラフトマン(この日は小池さんが作業されていました)と呼ばれる名人職人が一人で総てを造り上げるカスタムメイドの逸品も造られていました。 それらは注文主(演奏者)からの細かい註文はもとより、ある時は注文主の生活環境や趣味まで考慮した音創りやギター造りをすることもあるそうです。 それらの特注品は完成品の美しさ、グレイドの高さから多くのフアンを持ち、常に一年以上のバックオーダーがあるそうです。

▲小刀一丁でネックを削る

見学終了後、別棟の食堂兼小集会所にて社員(塗装担当の職人)によるデモ演奏を聴かせてもらいましたが、歌入りのためかギターの音もPAされ音量も大きすぎ、折角のアコースティックギターの良さが今ひとつでした。この空間なら生で聞きたいものだと思いましたが、後の社長懇談でSR法や適正音量などについて参加者からの提言などもありました。
デモ演奏の後、創業者であり日本の名工にも選ばれた矢入社長のお話を聞く機会を持ちました。氏は若き日単身アメリカでギター造りを習得しその作品が海外奏者に認められ創業されたそうです。自らをギター馬鹿と名乗り、デジタル時代ハイテク時代といわれてもギター造りに関しては材料も手法も昔からの方法の手造りに拘り、次の世代まで残る魂のこもった本物の良い製品造りだけを考え、経営的利潤、利便性とか効率とかは殆んど考えずにこれまでやってきました、とサンダル履きに作業服という出立ちと、朴訥とした話しぶりの中にもギター造りに対する信念と熱い情熱を感じました。また原材料の木材に関してもなみなみならぬ思いを寄せられております。 木材はほとんどが海外からの輸入品であり、表板に使われるスプルース材をはじめマホガニー、ローズウッド、メイプル、ウォールナットなど多種にのぼるのですが、ハワイアンコナやブラジルのブラックハカランダ等絶滅に瀕し、ワシントン条約で伐採も輸出入も禁止される材料も多くあり、和楽器の分野の象牙や鼈甲のように入手困難な材料もあるようです。しかしヤイリでは昔から木材入手のためには何も惜しまず現地へ飛んだりして確保しており、アコースティックギターを造っている工場では日本一のストック量を誇り、工場近くにも木材置き場があるとか・・、お話を聞きながら寄りかかっていたテーブルが分厚く数メートルの一枚板でできていたり、床も角材で敷詰められていたりしているのも、テーブルも床も潰したり剥がしたりして使えば、実は高価で貴重な材料であると聞き、こんなストック法もあるかとそのユニークな発想にビックリです。
社長の今後の構想は、それらの豊富な材料を中心に周りに各人のギター工房を作り、小さくとも音の良いホールを建て、次世代の人材を育てるギター製作村のようなものが創れればいいなぁ・・・・。 丘の上の工場の窓から可児の町並みや遠く霞んだ岐阜の山並みを見ていると、それはギター造り職人とユーザーのユートピアに思えて来ます。
帰宅して、へスス・ゴンザレス・モイーノのギター演奏の古い10インチ盤のLPレコードを引っ張り出して聴いていると、地を這うような情熱の響きとその内の温もりが、工房で受けた矢入社長の印象とどこか重なるようで暖かい気持ちになってきました。(報告:後藤元紀)


■西日本支部の「ボーカルマイク セレクション Part 2」

9月14日(月)大阪・吹田市文化会館 メイシアター 1F展示室で開催され、多くの参加者があった。

ボーカルマイクは、ボーカリストの好みで選ばれるものであって、音響技術者の範疇ではないのでないか。プロのボーカリストは自分専用のマイマイクを持つべきである。女性ボーカリストには、50万円もするデジタルワイヤレスマイクでも、ブランドバックよりも安いのであるからマイマイクとして購入してはどうかなど、新しい考え方も聞こえてきて、時代の変化を体感できるイベントであった。自分で試して早速購入を決めたボーカリストの方もいたりして、現実味のある催しとなった。

ヒビノ株式会社(シュアー・AKG)、株式会社オーディオテクニカ、ティアック株式会(ベイヤー)、株式会社イーブイアイオーディオジャパン(エレクトロボイス)、TOA株式会社(デジタルワイヤレス)、ゼネラル通商株式会社(SAMSON)、オタリテック株式会社、ゼンハイザージャパン株式会社、株式会社タムラ製作所(デジタルワイヤレス)の出品。調整卓はローランド株式会社のご協力をいただいた。


■めざせ! 創造する劇場技術者・映画「ザ・ローリング・ストーンズ シャイン・ア・ライト」の研究会の報告

東日本支部は日本劇場技術者連盟と共同で標記のイベントを開催しました。台風接近で暴風雨の中、15名がずぶ濡れで参加してくれました。

参加者から、開催趣旨の的を射たような感想が寄せられましたのでご紹介します。

超一流のエンターティーメントは、すごいの一言ですね。無条件にすごい、圧倒的なパワーを感じます。さらにそれを表現する映像の作り方もすばらしい!! 迫力があります。オープニングからいきなりトップギアに引き込まれました。
又ラストのアップから超ロングの空撮のような広大な空間画面も圧巻でした。どのような手法なのでしょう!
エンドロールに映画音声のフォーマットがいろいろで出ていましたので、サラウンド再生したら音響での空間表現のテクニックも聞こえたかも?
”ギャラ以上の仕事” 身に沁みるすばらしい言葉ともどもありがとうございました」

プロだから見抜けるプロの技、見抜けるからこそプロなのかも知れません。

なお、シンプルな上映の中から、プロの目でストーンズの仕事振りを主に汲み取っていただこうと趣旨で、サラウンド再生は敢て計画致しませんでした。

このイベントは、松田通商株式会社の協賛を得て開催いたしました。網野岳俊さんの会場設営に感謝申し上げます。


■九州ブロック「パトリア日田」施設見学と併催の映画「ザ・ローリング・ストーンズ シャイン・ア・ライト」の研究会の報告

九州ブロックでは、なかなか会員が集まれない状況ですが、今回は12名ほどの参加を得られました。
パトリア日田は、中心市街地の活性化を担うべく、平成19年12月に開館しており地場産の木材を多用しており、木の温もりを感じる会館でした。
大ホールは、1,003席の客席を有しており、客席内は積極的に外光を取り入れ、とても明るいのが特徴でした。ホール内も地場産の木材が多用されており、印象としては全てが木造建築のような雰囲気でした。
舞台機構はオール電動とのことです。照明はイーサネットで全てコントロールしており全てのサスにイーサのコネクタが付いているそうです。当然、音響もデジタル化されており調整室はすこぶる簡素化されていました。
小ホールは、351席の可動式の客席でとてもデッドなホールでした。ここは、芝居をするにはもってこいのホールで、とても使いやすそうでした。
この他に練習室、和室、創作室、ギャラリーなどが併設されており、市民活動にも気軽に使えそうでした。また、カフェは地元の企業が営業しており、とてもおいしい珈琲を味合わせて頂きました。
施設の職員の方々には、予定時間ギリギリまでご説明をして頂き、大変お世話になりました。

この会館の運営は、日田市の直営で運営されていることで苦労も多いようです。舞台技術者は、委託の方々で対応しています。

施設見学の後は施設の創作室をお借りして、日本劇場技術者連盟と共催で『めざせ! 創造する劇場技術者・映画「ザ・ローリング・ストーンズ シャイン・ア・ライト」の研究会』を開催しました。「ローリングストーンズが青春時代だ」と懐かしみながら鑑賞される方や、「技術者とアーティストとの関わりはやはりコミュニケーションだよね」「舞台創造には多くのスタッフが関わりその集大成が、お客様に満足して頂けばうれしいですよね」とそれぞれ皆さん感じるところが在ったようで、普段なにげなく舞台に関わっていることが、客観的にコンサートの映像を見るとことで、自分たちの仕事を振り返ることが出来たようです。
鑑賞会の終了後は、日田市のおいしいお店で、活発な意見を交換を致しました。

【九州ブロック 出井稔師】


■東日本支部の「納涼屋形船で夕涼み」報告

2009年8月24日夏の納涼屋形船を行いました。
当日は天候にも恵まれ、両国の船宿「うさぎや」から隅田川を下りお台場まで参りました。参加者は会員及びその家族・友人合計13名。
自己紹介を行った後、お刺身や揚げたての天麩羅に舌鼓を打ち、お台場の奇麗な夜景を見ながら歓談しました。
私は初めての屋形船でしたが、非常に楽しい2時間30分でした。

【報告:羽田野晉嗣】


■大阪・なんば 新歌舞伎座さよなら見学会

2009年6月末で閉館となる新歌舞伎座の見学会は、2009年6月11日、新歌舞伎座のご好意で、一般社団法人日本音響家協会と日本劇場技術者連盟が共同で開催しました。

そのときの記録写真を公開します→


サイトマップ